「小さい我が子にコスプレをさせる」親ほど気持ち悪いものはない
タイトルでは若干盛った表現をしていますので先に補足しておきますが、小さい我が子にコスプレをさせて、不特定多数の場に晒す行為をして承認欲求を得ようとし、更に子供を危険に晒す親ほど気持ち悪いものはないと言っておきますね。
言いたいこととしては上記のことだけで140字で収まってしまうだけの話ですが、コスプレイヤーさんが好きで、親として娘を持つ立場の人間として考えたときに、この案件については気持ち悪さを感じる他なかったです。
安易に予想できすぎた「血小板ちゃん」のコス
この夏から始まったアニメ「はたらく細胞」。原作のよさをそのままアニメに持ってきたいい作品です。豪華声優陣を起用しており、アニメ作品の本気度としてもなかなか高いです。
1話完結タイプの作品なので、途中からアニメを見はじめる人でも安心して見れるいいアニメだと思います。熱中症の話とかがアニメ化するとこのご時世にマッチしていて面白いですよね。気になる方は原作を見てみるといいです。
で、この作品で出ている血小板ちゃんががまさに子供たちにコスプレをさせるためにはうってつけのキャラクターです。
アニメ化作品のキャラクターがすぐにレイヤーの方々の目にとまり、イベントでお披露目されるというパターンはよくありがちなパターンですが、自分たちの子供たちにこのキャラクターのコスプレをさせてTwitterなどのSNSにアップするというところから、今回の議論がスタートしています。
CHARACTER - TVアニメ『はたらく細胞』公式サイト
©清水茜/講談社・アニプレックス・davidproduction
なぜこの親たちに気持ち悪いさを感じるか
今回の争点となった元ツイはこちら。
年中さんの娘が はたらく細胞の血小板ちゃん好き!やりたい!と言うので母が用意しました🙆
— 黒井杏蜜*C94土東セ32a (@k_anmitsu) 2018年7月29日
現在の特技はOP、ED歌うのと「あのねあのね」です
視線の先は録画したポプテピピックです。 pic.twitter.com/pw3Jm7YFLU
子どもたちにコスプレをさせている元ツイに対し、「ハイエース不可避」などといった犯罪めいたリプライが横行しているようでした。もちろん、これに対して下記のようなツイートが出たり、これ以降で「誰が悪いのか」議論が繰り広げられているというのがいつものTwitterの微笑ましい流れとなっています。*1
ちびっこが血小板のコスしてるツイートに「ハイエース不可避」「誘拐したい」ってリプするのさすがに頭おかしすぎやろ…その子の親に向かって「お宅の子供さんに犯行したい」って…犯罪がカジュアルになりすぎっていうか、全然二次元と三次元の区別ついてないじゃん…
— 苺時雨 (@hanashigure) 2018年7月29日
本気で言っている人も冗談めいて言っている人もいると思いますが、どちらにしても犯罪めいた発言を安易にする人は頭がおかしいと私も思います。Twitterの世界なので後者の人がほとんどだと安易に予想はつきますが。
一方で、この元ツイをした親の方を含め、子供にコスプレをさせてSNSに掲載した側、それに何の疑問を擁護する人たちも、もう少し想像力を働かせてほしいと感じました。
前提:子供にコスプレをさせること自体は何も悪くない
前提として、子供にコスプレをさせること自体は何も問題ないと思っています。子供、特に女の子はお姫様になりたいと言ってドレスを着飾ったり、プリキュアになりたいなどと大なり小なりの変身願望のようなものは備わっているものです。それで親がやっているコスプレや親が見ているアニメに興味を持ち、自分もかわいい格好をしてみたいなんてことは容易に想像できます。今回のケースはこのパターンでしょう。
そんな子供のやりたいことを叶えさせるために、親がかわいいキャラクターを紹介し、子供に衣装を準備してあげてコスプレをさせてあげるという行為自体に何の悪い要素はありません。
ただし今回はこの前提に逸脱した部分に気持ち悪さを感じたというのが言いたいことです。
子供を自分の承認欲求の『道具』に使う気持ち悪さ
元ツイを見たときに率直に感じたのは「子供を自分の承認欲求の道具に使ってるよな」という感想でした。この一連の行為って、親子でコスプレを楽しんだ上で写真を撮って、可愛くできたねーなんて感じで親子間で完結する話で済ませれば、子供の要求を汲んであげられる良い親で終わるのに、それをわざわざTwitterに載せる時点で「承認を求めている」以外のなにものでもないわけです。それ以外に理由があるなら教えてほしいです。
子供を気づかないうちに『デジタルレイプ』する親
Twitterといった不特定多数の人々に晒す行為を子供の許可なく実施し、犯罪めいた発言を誘ってしまうあたりにこの親のよくないところが出ています。先程引用したツイートでは「親に向かって犯罪めいた発言をするのは気持ち悪い」という正論ではありますが、掲載した親側はこの画像を載せることでこういう発言が出る懸念をしなかったのか、というところを疑問視する必要があったでしょう。
子供を守るのも危険に晒すのも親次第です。こういうSNSの世界では、安易な行動が子供を危険に晒す恐れがあることを知っておく必要があります。
余談:小さい我が子をイベントに連れていくヤバい親
元ツイの方は家でコスプレをさせ、Twitterに画像を載せていただけですが、台湾のイベントでは小さい子供に血小板ちゃんのコスプレをさせてイベント参加している写真が出回っていました。おそらくコミケでも同じような現象が見られるんだろうなぁなどと危惧しています。
自分の子と思われる小さい子たちにコスプレをさせていたり、一緒にイベント参加してギャラリーの的になっているものをたまに見かけるのですが、ここまで行くと何がなんだかって感じです。否定に使う言葉すら出てこないですわ……。
イベントとかで「○○歳以下はコスプレなどは禁止します」などといったルールが明文化されるとこういう親の抑止力になるとは思っています。コミケでも年齢制限は設けていないはずですし、年齢制限を設けたことによるスタッフ増員なども大変だと思うので現実的ではないでしょうけども。
子供を守るためには
子供のやりたいことを極力叶えてあげることを踏まえた上で親ができることって以下のことだと思っています。
- 子供を使って自分の承認欲求を満たさない
- 子供を危険な目にあわせないように行動をする
- SNSの掲載には注意を払う
こう箇条書きにすると当たり前の行動を取ってくださいというだけの話に見えますが、自分の承認欲求などが頭によぎると、ついついこのあたりの思考が抜け落ちるんだろうなぁというのが今回の事象にあたります。
冒頭でも述べましたが、「小さい我が子にコスプレをさせて、不特定多数の場に晒す行為をして承認欲求を得ようとし、更に子供を危険に晒す親」ほど気持ち悪いものはありません。承認欲求を満たしたいのであれば、せめて自分だけで何とかしてほしいと感じています。別に脱ごうが何をしようが、文句は言いませんので。
*1:下記ツイの後に「母親バッシングを煽るまとめならこのツイは使わないでもらいたい。」と記載されていましたが、この記事自体は両方どうかしているというスタンスで出しているので使おうと考えています。