「覇穹 封神演義」の制作陣発表と漂う不安要素
©安能務・藤崎竜／集英社・「覇穹 封神演義」製作委員会
今年の春頃から騒がれていた「封神演義のアニメ化」について、今までも小出しにキャストが発表されたりと古くからのファンはドキドキしながら来年冬の放送を待っていたことでした。
しかし、昨日のキャスト、スタッフの発表により、放送前にして完全にお通夜状態になってしまったようです。その理由はキャストではなく、スタッフ、特にシリーズ構成の起用によるものでした。
高橋ナツコさんの起用とその心配
スタッフの一覧はこんな感じです。HPより引用しています。
今回一番物議を醸しているのが、シリーズ構成に「高橋ナツコ」さんが起用されていることです。前期アニメでも異世界スマホで大々的にやってくれた高橋さんです。
原作ありで端折るポイントが大変難しい作品でかつ、ターゲット層がガチでお金を落とす変わりに出来のよさを求めるお姉さま方なため、スタッフ、キャストの選択を非常に慎重にしないといけない作品のはず。よりによって「お姉さまがたを数多の作品で幾度となくキレされた」高橋ナツコさんをチョイスするというところに何とも言えない前衛性を感じます。これで仙界大戦やるんでしょ……。
封神演義の脚本家の高橋ナツコ、そんなにヤバイの？）wikiﾎﾟﾁー
— 天柱 太陽@徹底的な自己批評 (@tadanokakas) 2017年11月1日
・うどんの国の金色毛鞠（元監督が脚本で切れた）
・異世界はスマートフォンと共に（２Ｐを１話にした）
・戦国BASARAJE（この３期でファンが離れた）
更に今回は原作の一部という結構難しいアニメ化と聞く… pic.twitter.com/UuRtlut7jj
これに加え、鋼の錬金術師でとんでもない原作改編を行ったり、プリキュアやアイカツで数多の百合プレイを見せつけてきた高橋さんです。仙界大戦ではどのように原作を改編されるかが心配で仕方ないです。2016年のシリーズ構成作品では、大当たりの作品はなく、(構成的な意味で)外れの作品が目立ちます。この中でよかったの「恋と嘘」くらいじゃないの……しかもあれも原作がいいですし。
シリーズ構成以外も心配です
相澤監督は作画監督では廻るピングドラムやユリ熊嵐などとても評判の高い作品を手掛けている方なので、作画面では大丈夫かなぁと思っています。一方でこの作品が初監督という点があり、全体的な制作、とりわけ構成、脚本を始め色々なスタッフの方とうまくやっていけるか、というところが気になります。
制作会社のC-Stationさんはビィートレインさんから子会社化・独立に伴い出来た会社です。SILVER LINK制作の作品に協力することが多いため、クォリティの高いものを作られることを期待をしたいですが、主制作の会社としての実績が薄く、特に2クール以上の作品は手掛けていないところが気になります。
話の尺として2クールは必要だろう……と予想をしている本作品において、制作会社の地力は求められてくると思います。長期放送アニメに耐えられるだけの地力があるか、という点に対してちょっと疑問があります。逆に1クールに収めようと思うなら、構成・脚本がどうなるのか心配で仕方ないです。
脚本も少し心配です。池田臨太郎さんは恋と嘘やうどんの国の金色手毬で高橋ナツコさんとタッグを組んだ経験があります。恋と嘘で脚本をされた回は大きく悪いところではなかったですが、シリーズ構成に引っ張られると地獄でしょう。
大草芳樹さんは2017年5月に日本脚本家連盟に入られたばかりと実績がわからずでした。別途で実績があるのかもしれませんが、こう期待度の高すぎる作品の場合には不安要素となりえます。
こうシリーズ構成の高橋ナツコさんばかりが取り上げられるところではありますが、期待度の高い作品にも関わらずスタッフさんのチョイスに一抹の不安を感じます。
まぁ、相澤監督が「C-Stationさんがいいよ」と言ってチョイスしたのであれば、監督を信じて見られるのですけれどもね。
なぜこういうスタッフ起用となったのか
正直理由についてはさっぱりわからない、というのが個人の感想です。
出来のいい作品に仕上がれば自ずとBDも売れ、さらに周辺のグッズも売れる作品になることが容易に想像出来る作品であったのに、(素人目に見て)どちらに転ぶかがわからずギャンブルに近いスタッフ編成にちょっと疑問が隠せないところです。
お姉さま達から「干してほしい」と散々言われている高橋ナツコさんの起用、技量の読めない脚本、2クールやる地力があるかがわからない制作会社。キャリアの長い監督の手腕でこの作品が好転するといいなぁと期待を込めていますが、脚本との兼ね合いが気になるところです。
話を聞いたところ、既に「この話題には触れないようにしている」という厳しい意見が出ている覇穹 封神演義、まさか妲妃のキャスト発表前にこんなことになるとは思ってもいませんでした。
これだけバッシングを受けた制作スタッフの発表でしたが、果たして1月からの放送はどうなることか、色々な意味で期待が高まってきました。(もういっそシリーズ構成を変えて半年延長してもいいんじゃない、とも思うのですが大人の事情で厳しいんだろうなぁ……)
