課金ガチャの考え方がわからないので少し考えてみた
グラブルの問題などで色々と盛り上がっている課金ガチャについて。グラブルの場合は確率を意図的に操作されていたのではないか、などといった疑惑などもありますが今回はそもそも課金ガチャの確率についてちょっと考えてみたいなと思いました。とはいえ、言いたいことは少ないので文章としては短めです。
スポンサーリンク
課金ガチャとは
そもそも課金ガチャとはオンラインゲームやソーシャルゲームで導入されているアイテム課金のうちのひとつで、課金アイテムとしてガチャをまわす「有料ガチャ」というものを指します。現実世界のクジと同じようなものですが、クジの中身が減るものではないので、クジを引けば引くほどレアアイテムやレアキャラが当たる確率が上がる、というものではありません。常に確率は一律です。
確率が明記されていない場合は、当たる確立が1%以上であることが日本オンラインゲーム協会(JOGA)では決められているとのことなので、基本的にどんなレアでも1%の確率で当たるそうです。
しかし、1%の確率でレアが当たるとはいっても、100回引いたら絶対に当たるというものではありません。そんなことを示唆した記事が出ており人気を博しているのですが、本当の確率を単純に書いているところに違和感があります。
確率の考え方
さてここからが実際のレアキャラが当たる確率についてです。実例を挙げるためにアイドルマスター シンデレラステージ(通称デレステ)をもとに考えてみます。
デレステのレアガチャ
デレステのレアガチャでは、SSR、SR、Rの3種類のレア度に分かれています。それぞれのレアの確率と、実際のレアキャラの種類は以下表の通りです。このデータをもとに「100回ガチャを回したときに、特定のSSレアキャラが当たる確率」を考えていきます。
レア度 | レア出現率[%] | 種類数[数] | 種類割合[%] |
---|---|---|---|
SSレア(SSR) | 1.5 | 20 | 16.7 |
Sレア(SR) | 10 | 42 | 35.0 |
レア(R) | 88.5 | 58 | 48.3 |
レア度→キャラ抽選
レア度の抽選を行った後、その中でキャラ抽選を行う場合です。この場合は以下の通り計算します。
出現率 = { 1 - (1 - SSレアの出現率)^100 } / SSレアの種類数
この計算式より、特定キャラの出現率は約3.8%となります。なおSSR全体の出現率は77.9%程度で、22%の確率で100回ガチャを回してもSSRが1枚も出ないことになります。なおデレステの10連ガチャの金額は3,200円なので、32,000円を出してもSSRが20%以上の確率で出ないと言うことになります。なにこれきっつー。
ちなみにSSR出現率の計算をするために、二項分布を用いてレア出現率を考えてみたのですが、1回もSSRが出ない確率は22.1%となり上記の結果と同じであることが確認できています。
確率UPの場合
特定のキャラだけ確率が上がるという独特ガチャシステムがあります。デレステの場合はイベント対象のキャラクターの出現確率が上がるという仕組みがありますし、これはほかのソシャゲのガチャでもよく見かけます。
今回は特定のSSRの1キャラのみが確率が2倍になる(つまり3%になる)場合の計算です。特定SSRの係数を2、他SSRの係数を1として以下の通り計算します。このときSSRの種類係数は21になります。
出現率 = { 1 - (1 - SSレアの出現率)^100 } / (2 / SSレアの種類係数)
この計算式より確率が2倍になっている特定のキャラが出る確率が約7.5%となりました。まぁ100連回して1割弱くらいの確率で特定のキャラが出ることになります。単純なSSR出現率が78%くらいなので、まぁこんなもんでしょう。
ちなみに単純に「そのキャラだけ」3%の確率で出ると仮定して計算をした場合は 95%の確率で出るらしいです。どちらが正しいのかは各ゲームの計算式によるところが大きいので何ともいえないのですが、グラブルのことを考えると出現係数の調整じゃないかな。
さいごに
ガチャのアルゴリズムで、「課金額に応じて出方が変わる」という情報もあります。アルゴリズムの中に、課金額に応じてフラグが設定されていることや、「特定キャラの出現率を上げる」ために各レアキャラに対する出現係数が設定されていると想像できます。そのため単純な確率だけでは図れないと思っています。とは言え基礎的な知識をつけておけば、ガチャに対する危機感を覚えると思います。上記のような簡単な確率って、確か中3か高1で勉強する範囲だったはずですよね。
私もちょこちょこと課金ガチャを行っていますが、確率上の問題なのであまり期待はしていないですし、ほどほどに楽しむのが一番だと思っています。
最後に、普通の確率の話だけで細かな話をしていない4Gamer.netの記事に若干のもやもやを感じたその勢いで書いたということを明記し、締めくくりとさせていただきます。