たかみめも

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「アニメタ」と「西荻窪ランスルー」~アニメが好きな人にはぜひ見てほしいマンガ + α~

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アニメが好きな方はマンガも好きな方が多いと思います。恐らく色々なマンガを見ているんじゃないでしょうか。少なくとも私は好きです。

 

ここ最近はアニメ製作をテーマとして取り上げたアニメ(SHIROBAKO、それが声優、ガーリッシュナンバー)がちらほらあったように思います。マンガの世界でもアニメ製作現場をテーマにしたものがいくつかありますが、その中から今回は「ここ最近刊行された、アニメが好きな方に見てほしいマンガ」を3つほど紹介していきます。

 

アニメタ

テープが擦り切れるほど見たアニメは、わたしの人生を変えた。
わたしも……こんなアニメを作ってみたい!

プロフェッショナルが集結するアニメ業界に、新人アニメーター・真田幸(19歳)が、0.1%の才能と、99.9%の熱意で挑む!!

スポコン・アニメーター物語、開幕!!

アニメタ! / 花村ヤソ - モーニング公式サイト - モアイ

 

新米アニメーター、真田幸のアニメーターとしての成長譚と、それに関連するキャラクターたちの葛藤などを、人間関係という要素は少なめに、アニメの作品づくりがメインに描かれています。

作品のテイストもどちらかと言えばアニメのそれに近いのですが、人々の動きの所作やアニメの制作シーンの描写などはとても丁寧に作られているように感じました。今のところは原画、動画、動画検査の辺りが主ではありますが、ラッシュテストなどのシーンもあり、仕事としてのアニメ作りの全体の雰囲気を知ることができます。

3巻で見られた親子関係を描いたシーンは「ガーリッシュナンバー」を思い出させることもあり、よりこの業界をリアルに描いているように見受けられました。

 

作品の中に出て来る専門用語はそれなりに多いものの、柱の部分に「アニネタ!」という項目で言葉の説明が書かれていたり、各話の最後や巻の終わりにおまけとしてアニメ製作にまつわる小ネタが書かれているので途中で調べものをせずに済みますし、何よりアニメ好きとしてはたまらない作品です。

西荻窪ランスルー

江田島咲、18歳。
自分ひとりの力で生きていこうと周囲の反対を押し切り上京を決意。
絵を描くことが得意だった咲はアニメ会社に無事就職できたが、そこで出会う大人たちに圧倒される日々。

仕事も恋もひたむきにがんばる
がむしゃら女子の全力疾走物語!

 

 

マンガが好きな方は、先程取り上げた「アニメタ」よりもこちらの作品のほうが好きなんだろうなぁというのが私の感想です。実際に「私は「西荻窪ランスルー」の方が好きだなぁ」というご意見も頂いたことがあります。

アニメ制作の現場というよりは、制作現場で働いている人たちの人間関係をきっちり描きつつ、よりマンガとして楽しめる作品のように感じました。主人公である江田島咲たちの努力、苦労、そして恋慕をにおわせるところがいいです。また、子育てと仕事をうまく両立させようとしている三津監督やマンガ家とアニメーターの両立に悩む三条さんなど人間としての心情のリアルさをより綺麗に描いている作品のような印象を受けましあt。

作者のゆき林檎先生はもともと商業BLの作品を出している方で、より近い距離での人間関係の描き方に長けているように感じました。「アニメタ」と見比べてみると、各キャラの距離感のとり方の違いに驚かされます。

 

【おまけ】映像研には手をだすな!

浅草みどりはアニメ制作がやりたいが、一人では心細くって一歩が踏み出せない。
そんな折、同級生のカリスマ読者モデル、水崎ツバメと出会い、実は水崎もアニメーター志望なことが判明し・・・!?
金儲け大好きな旧友の金森さやかも加わって、「最強の世界」を実現すべく電撃3人娘の快進撃が始まる!!!

作品詳細『映像研には手を出すな!』 | ビッグコミックスピリッツ公式サイト -スピネット-

 

アニメ製作を取り上げている作品ですが、先の2つの作品とは違い「女子高生が部活動でアニメを作る」という作品です。

この作品の折々に出てくるイラストや製作シーンがアニメ製作時の原案や彼女達の頭に浮かばれているプロットに近いものであり、そのスピード感がマンガのそれではないひとつのアニメ作品の原案を見ているようなドキドキ感がありました。

元アニメーターのの花村先生に対し、個人制作を行っていた大童先生。この経歴の違いが作品のテイストに色濃く出ているような気がしました。

 

この作品ですが、マンガ1冊を大体10分くらいで読む私が30分くらいかけてじっくり一巡しようと感じたくらいにひとつひとつの密度が濃く、話の途中で前の話を読み返したり、各コマの細かな部分を見たくなるものでした。しっかり読み込み、1冊を読み終わった時にはアニメを数話見きった疲労感を感じさせるような濃密な作品でした。

 

で、どれが面白いの?

この3つの作品はどれもアニメ制作の現場を取り上げたものではありますが、それぞれの作品の毛色はぜんぜん違うもので、「これよりこっちのほうが面白い」と一概に言えません。各作品のテイストを味わってほしい、世界観を楽しんでほしいといった観点から、私としてはどれも面白いですよと言いたいです。

 

個人的な意見ではありますが、「西荻窪ランスルー」や「映像研には手を出すな!」はよく色々な方が取り上げているのに、「アニメタ」が取り上げられていないことに歯がゆさを感じていました。なので最近トレンドとなっているアニメ制作に関連するマンガをいくつか並べて紹介したわけです。アニメタはいいぞ。

 

 

改めてですが、この3作品は同じアニメ制作を取り上げているにも関わらず、作者のテイストにより全然違うものが出来上がっています。これだからマンガって面白い。