たかみめも

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実写化されたオリジナルアニメはどの程度存在するのか

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© KOKOSAKE PROJECT

巷で時折話題になるのが、マンガや小説などが原作の実写化作品に対し、「原作の雰囲気をぶち壊す要因になる」と否定的になるもの。確かに作品によっては「これは実写化してほしくないなぁ」と思うことはしばしばありますが、時には原作の雰囲気に対しリアル感を増していい作品に仕上げている作品も一定数存在します。原作とドラマの差異はともかく、「逃げるは恥だが役に立つ」なんてマンガ原作ですし、現在2期放送中の「コウノドリ」だってマンガ原作です。(あまり言いたくはありませんが、全ての作品を包括している発言についてはセンスもないし、その発言自体が軽蔑の対象になると個人的には思っています)

 

そんな話題を見ていると、「マンガやアニメの実写化」なんて言葉を目にする機会がここ最近よくあった気がします。ここで気になるのが「アニメの実写化」、つまりマンガや小説などからアニメ作品、実写化とメディアミックスされたものではなく、オリジナルアニメが実写化されたものって実際にどの程度存在するのだろうかという疑問でした。自分がぱっと思いつく範囲ではほとんど出てこなかったわけです。

とは言え、知らないところで実写化された作品が存在するだろうと考え、少し調べてみることにしたというのが今回の趣旨です。

 

映画化作品について調べる

まずは映画において実写化されたオリジナルアニメを調べることにしました。前提は以下の通りとします。ソースについてはwikipediaの以下の情報を1件ごとに確認しています。むしろwikipediaをソースにしてすまんよ、綺麗にまとまっていたから使わせてもらったやで。

 

◆前提

  1. 2001年~2017年に発表された邦画を取り上げる
  2. ソースはWikipediaの アニメ・漫画の実写映画化作品一覧 から
  3. アニメ → 実写化 のみ取り上げる
  4. マンガや小説 → アニメ → 実写化 は対象外とする
  5. アニメーション作品は対象外とする

 

 

で、映画にて実写化されたオリジナルアニメは以下の9件でした。思っている以上に多かったなぁというのが個人的な感想です。正直、2000年以降のアニメについては0件だと思っていました。

 

放映年 タイトル

アニメ放送年

アニメ制作 備考
2017 心が叫びたがってるんだ。 2015 A-1 Picture  
2017 破裏拳ポリマー 1974 タツノコプロ  
2013 ガッチャマン 1972 タツノコプロ  
2012 妖怪人間ベム 1968 第一動画  
2010 SPACE BATTLESHIP ヤマト 1974 オフィス・アカデミー 宇宙戦艦ヤマト
2009 ラスト・ブラッド 2000 Production I.G [洋画] BLOOD THE LAST VAMPIRE
2009 ヤッターマン 1977 タツノコプロ  
2007 マッハGoGoGo 1967 タツノコプロ [洋画] スピードレーサー
2004 CASSHERN 1973 タツノコプロ  

 

2017年から調べ始めて、いきなり2件も出てきたので、調査開始段階での自分の仮説である「アニメから映画化された作品なんてほぼ存在しないだろう」というものがガラガラと崩れていくかと思ったのですが、2016年以前を調べていくとそうでもなく、むしろタツノコプロ作品ばかりであることがわかりました(というかタツノコプロ多すぎでしょ……)

 

またアニメ放送年ですが、赤字で示した通り1970年台もしくはそれ以前のものがほとんどで、実写化されたアニメ9件のうち7件が該当します。この点については調査段階での仮説として「だいぶ過去の作品については実写化されていてもおかしくないよなぁ」というものがあったので、その仮設には合致してました。

2000年以降で、邦画でかつオリジナルアニメからの純粋な実写化は「心が叫びたがっているんだ」でした。こういう学生テイストのオリジナルアニメがこれから増えると、実写化されるアニメ作品もちらほら出てきそうですね。

 

この結果をみて意外と少ないよな、あの作品とかどうなっているんだろうかと思われるでしょうが、実はマンガ→アニメ→実写化という作品が圧倒的に多いのではないかと考えました。続いてこの辺りの話をしていきましょう。

 

実写映画化されたマンガ・アニメはどのくらいあるのか

先程のWikipediaの情報をもとに、映画放送年に対するアニメ・マンガの実写化映画作品数の推移をグラフ化したのが以下です。下記グラフの数字は各年の全体の本数です。

2000年台後半から本数が倍増しているように感じており、映画化作品にもマンガやアニメのものを取り入れる風潮が強くなっているように感じています。

グラフの中では一応アニメ原作のみのグラフも載せておきました。アニメ原作の実写化作品は年に1件あるかないか、という感じです。こうグラフにしてみると、実写化されたアニメ作品はほぼ見当たらないと言ってもよさそうです(2000年以前はほぼなしですし)

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実写化されたマンガ作品のうち、アニメ化もされた作品の各年の数は以下の通りでした。実写化作品数の本数は上のグラフと同じとし、そのうちアニメ化された作品と並べてみたのがこのグラフです。棒グラフが本数、折れ線グラフが割合です。

アニメ、実写化の両方がなされたマンガは右肩上がりに増えてはいますが、全体の割合としては半分には満たないこと、また年によって最大20%ほどの割合の差が発生することから、マンガ→アニメ→実写化の流れは大多数ではなく、年によって本数にばらつきがあることがわかりました。ただ、一定数のマンガはアニメも実写化もされているということをご認識頂ければよいかと。

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実写化されたアニメなんてほぼ存在しない

 

最後に私が言いたいことはこれだけです。

 

結論ありきで調べていたし、重箱の隅をつつくような調査ではあることは理解しているのですが、調べた結果「オリジナルアニメを原作とした実写化映画がここまでないとは……」という印象を受けました。 (それだけに、2017年の「心が叫びたがっているんだ」の実写化にはなんとも言えない感動を得たわけですが)

 

また、そもそも映画化される作品の中で「マンガ・アニメ」を原作とした作品が映画全体の10%に到達するかしないか程度と、思っているより多くなかったというところもなかなかに面白かったです。ファンタジー要素が入ってくると実写化し辛いですからね……。

 

 

ここから先の話としてはマンガをもとに実写化された作品のおおよその傾向を調べて、「マンガ作品の実写化なんて誰が求めてるんだよ」とった意見に対する何らかの意見を述べらればなぁなどと考えていたりしますが、そうすると作品ひとつひとつにフォーカスを当てることになるので、時間のある時にやろうかなと。