たかみめも

アニメ、ゲームの話や紅茶の話など、日々気になったことをだらだら書いてます

私が感じた「大人が見ても面白いアニメxx選」への違和感とアニメのターゲット層

ここ最近、「大人が見てもおもしろいアニメ」というような記事をちらほら見かけます。記事の内容には否定的な感情は抱かないですし、ご紹介されているアニメは面白い作品がほとんどだよなぁと見ていました。

ただ、記事を見ていると何とも形容し難いもやもやした感じが私の中に残ったので、そんな個人的なもやもやを晴らすべく、記事を書くことにしました。

(引用する記事に対する、カウンター的な記事ではないことを先に明記しておきます)

 

引用の記事を3つほど

まずはこの話の始まりとなった記事を3つほど。紹介する方々、特に最初のお二人は(はてなブログ界では)有名な方です。そんな彼らが書かれたのがこの記事。なお、コトリさんの記事の元タイトルが「おもしろいアニメ!大人が見てもおもしろいアニメ20選」だったので、このタイトルをベースに話を展開していきます。

 

まずはコトリさんのこの記事。個人の趣向として、恋愛ものと美少女系(と定義されている)アニメはほとんど見ないとのこと。*1ご紹介されているアニメのチョイスとしては非常にいいのですが、無難すぎるチョイスとSEO対策に感じられる記事タイトルからブコメで結構いいように言われている印象を受けました。

www.kokoro-fire.com

 

次に小野さんのこの記事。自分(大人)は面白かったが、息子たち(子供)は面白く感じられなかったという記事を、ご自身の経験に当てはめたものです。確かに「子供にはウケにくいけど、大人は好みそうなアニメだなぁ」というアニメのチョイスがちらほら。

先ほどのコトリさんの記事に比べ、ベタなアニメだけではなく若干オタサイドに近いチョイスも見られました。『トップをねらえ!』の6話はいいと思うんだ。

yutoma233.hatenablog.com

 

次に紹介するのが、この2記事に後追いで記事を書かれ、最近ホットエントリ入りしたふなさんのこのチョイス。上記2つの記事で出た有名どころのアニメを除いたチョイスとなっています。この記事を見たときに「年齢いくつだろう」という野暮ったい感想を抱きました*2が、紹介されているアニメは面白いものばかりです。ちなみに、おじさんはufotable作品なら「ニニンがシノブ伝」が好きなんだ。

www.itutado.com

 

個人的に感じた違和感

で、私が記事から感じた違和感としては、記事タイトルに「大人」という言葉が使われている点について。重箱の隅を突くような感じの違和感ではありますが、この言葉をあえて入れていたその理由についてちょっと考えていきます。

 

自身の今の視点(大人の視点)から記事を書いている

ふなさんの記事では(ご自身を懐古厨と言っていますが)、子供の時に見た感想と違い、大人になった自分が見てどう感じたかを述べています。昔見たアニメを大人の目線で見たらどうか(リヴァイアスの紹介の部分)といった点からこういった印象を受けました。

また小野さんのところでは、同じアニメに対して大人と子供での感想の差を出すことで「大人が見ても面白い」という記事を作り上げています。着眼点としてはいいなぁと思ったのですが、ここで子供が男の子と女の子の両パターンがあったら本当はよかったなと思っています*3(『赤髪の白雪姫』は女の子ウケがよいですしね。深夜アニメであることが悔やまれるアニメのひとつと思っています。)

 

余談ではありますが、小野さんの記事の中で出てきた「絵が古い」という言葉ですが、あくまで「今の子供には合わない」という感じで受け取るのが正解な気がします。そうでなければ、90年代に放映された『勇者シリーズ』など小学生男子が視聴対象のアニメも絵柄が臭くなってしまうためです。絵柄なんて時代によって変遷するものですから。

ちなみに90年代と最近の作画の違いはこんな感じで結構違います(ネットの海から拾ってきました。ご本人Twitterアカウントが見つからなかったので、怒られたら消します)

f:id:nine-tail:20160419234414p:plain

 

ブログの対象読者を考慮

それぞれのブログを読んでいる方(想定読者)が大学生~大人が多いと考え、「大人が見ても……」と言ったタイトル付を行ったと考えています。*4確かに、自分のブログに子供が見に来ることはあまりないのに、「子供向き」とか書かないよなぁと思いました。

 

アニメのターゲット層についての固定観念

上記の2つの理由のようなブログ起因の理由ではなく、アニメ自体の印象からくる理由というものを考えてみたのがこちら。

被害妄想に近い理由ではありますが、アニメというものに対するイメージとして「アニメは子供が見るもの」という固定観念の払拭のため、「大人でも楽しめますよ」ということを言いたかったのかなとも感じました。本来ではサブカルチャーの類として大人も楽しんでいたアニメ分野であるにも関わらずです。

自分が楽しかったと感じたアニメを紹介するのに「大人の私が」だとか「大人でも」という言葉はいらないのに、なぜあえてつけたのかという疑問が、ネガティブな思考へと繋がってしまいました。

 

と、被害妄想に近いような理由を書いていったところで、自分が感じていたもやもやの原因がここにありそうだと感じました。次はこの点について掘り下げていきます。

 

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そもそもアニメのターゲット層ってどの辺りなのか

アニメのターゲット層についての固定観念から、このようなタイトルを付けてしまった私。この考えに至った際、「そもそもアニメのターゲット層ってどこなのか」と気になったので、局や放映のタイミングからアニメのターゲット層をある程度カテゴリ分けしました。

 

子供(乳児~幼児)向けアニメ(対象年齢:~3歳)

ここに当てはまるのが「はなかっぱ」のようにNHK教育でやっているようなアニメ番組や「アンパンマン」など、小さい子供が最初に通るアニメを指します。ここの分類にカテゴライズされるアニメは私が子供のとき*5からやっているアニメが多い印象。これらのアニメは大体夕方まで(18時まで)の放送だったと記憶しています。

 

子供(幼児~就学児)向けアニメ(対象年齢:4歳~小学生くらい)

ポケモンや妖怪ウォッチなどの子供向けアニメがここに入ると思います。俗に言うテレビ東京の18時枠、また他局でも17時~19時くらいに放映されるアニメは子供向けアニメと言ってよいでしょう。

また、「境界のRINNE」がHNKで土曜日17時半から放映されていますし、最近放映開始された「ぼくらのヒーローアカデミア」もTBSで日曜日17時枠から放映されています。この辺りのアニメと土日の朝に放映されている少年、少女向けアニメが就学児向けのアニメと考えられます。

※プリキュアのように「小さい女の子(4歳~9歳)と大きい男の子(20代)がメインターゲット」と製作者側が言ってるケースもありますが、主なターゲットとしては小さい女の子だからいいかなと思っています。

参考:プリキュアの対象年齢はガチで20代〜30代の大きなお友達だったことが発覚|面白ニュース 秒刊SUNDAY

 

それ以外の層(青少年~大人まで)

ちょっと乱暴な分け方かもしれませんが、局と時間帯で分けるのであれば、前記したもの以外全てのアニメがここの層にあてはまると考えています。もちろん「深夜アニメ」もここに該当するんじゃないかなと。各ブログで挙げられている作品の半分以上はここのカテゴリに入ると思っています。ここについては年代では区分けせず、どちらかと言うとジャンルや個人的な好みで分けたほうがよいのかなと考えています。

 

ターゲット層についての個人的な考え

次に、ターゲット層についての個人的な考えです。自分のもやもやをうまく文章化するため、自分の過去の記事や外部資料から情報を集め、自分の考えを誘導したものになっています。
 
アニメのターゲット層の変化

以前に、今と20年前のテレビ東京の18時枠のアニメをピックアップした記事を書きました。このご時世では深夜でないと放映できないようなアニメを18時枠で放映していた理由はわかりません*6。ただ、20年前のこの枠で放映されていたアニメは、現在放映されているアニメに比べて「小学生以上の世代層の多くが見ても、面白いと感じるようなアニメ」が多かったように感じています。

夕方のアニメの変わりようを見ていると、深夜アニメ以外については子供向け、それ以外を大人向けというようにゾーニングしている気がしました。

9tail.hatenablog.com

  

ターゲット層という考えと個人的な結論

アニメのターゲット設定について、以下のような資料がありましたので、資料内の言葉を引用します。

当初は子供向けであったアニメ・マンガのファン層が、大人にまで広がり、幼児、少年、少女、青年、ビジネスマン、レディス、主婦など、細分化されたターゲット設定の作品やメディアが登場していることである。

第1章 日本のアニメ・マンガを取り巻く状況 国土交通省(PDF)

 

この記事は、マンガ・アニメの観光活用に活かすための資料として国土交通省が作成したものです。経済産業省あたりが出した資料かなと思ったため、少し驚きました。

ここで記載されている「細分化されたターゲット」というところが引っ掛かりました。確かに色々なアニメを見ていてよく思うのが、「どの層をターゲットにしているのかな」という点。アニメの放映時間によるゾーニングについては先述しましたので、ここでは実際の作品に対するターゲット層の絞り込みについてです。

 

製作者側としては細分化されたターゲット層に対し、「この視聴者層にウケればいいな」と想定視聴者層をある程度決めてアニメを製作しているかと思います。その想定視聴者層には年齢だけでなく、趣味嗜好なども含まれます(どのようなアニメ、マンガ、ラノベなどが好みなのかも含めて)

ただし、視聴者側としては年代、趣味嗜好に関係なく面白い作品は面白いと感じます。面白いと感じた点、着眼点が人によって違うだけです。

 

ここで1つのアニメの例を挙げます。『カウボーイビバップ』はどちらかと言うと大人向けに作られた作品です*7が、当時中高生だった自分の周りでも大好評だったように記憶しています。

このように、狙ったターゲット層とは違った層でも面白く感じることは多々あります。要は個人の趣味嗜好の話です。

 

この考えから、最初にあげた各記事は「大人の私が見て面白いと感じたアニメ」というコンセプトでアニメの紹介をしたのかな、というひとつの結論に至りました。

「大人」という言葉に惑わされすぎている自分に気づいたわけです。

 

余談:私が見つけたオススメの記事

締めくくりの前に、先ほどとの3記事とは違った視点の、この系の記事で(個人的に)一番いいなと思った記事を紹介します。この記事のよさとしては「なぜ大人になったらわかるか」という点に焦点が当たっているところ。そして、決して「面白い」と断言していないところです。

game-dont.hatenablog.com

 

「面白い」という言葉はあくまで主観的な言葉です。個人的には面白いですよ、オススメですよと言うことができるのですが、ブログという場で使うには私はちょっと腰が引けてしまいます。「好きなアニメ」と「オススメできるアニメ」って違いますしね。

 

おわりに

全ての記事で紹介されているアニメは私も同意するものが多いです。ただし、それぞれのアニメにはそれぞれ狙われたターゲット層があること、そのアニメが必ず自分にとって面白いものかどうかはわからない、あくまで個人の趣味嗜好によるものということを理解することは重要です。特にこのような記事を見た場合には。

 

最後に、想定視聴者の層は存在はしますが、自分が面白いと感じたらそれでいいんじゃないかなという若干投げやりな一言で、この記事の締めくくりとさせていただきます。

 

おまけ:たかみが紹介する「面白いと感じた」アニメ

仕方ないので、「ギャラクシーエンジェル」をあげておきますね。紹介という意味合いはあまりないので、あしからず。

EMOTION the Best ギャラクシーエンジェル DVD-BOX

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*1:美少女ものは見ないと言いながら、けいおんはともかくARIAが入っている辺りはいいのかな……

*2:プロフィールより1990年生まれとのこと

*3:小野さんの子供が男の子だけなので、無理なのは重々承知しています

*4:その後コトリさんはブログタイトルを変更しましたが、これがSEO対策なのか内容に沿ったタイトル変更なのかはわかりません

*5:何年前かは秘密

*6:むしろ昨今では昔のようなアニメは放映できなくなった、という見方をしています

*7:この方針が災いし、2クール予定が打ち切りとなった