たかみめも

アニメ、ゲームの話や紅茶の話など、日々気になったことをだらだら書いてます

原作アニメとオリジナルアニメの比率と過去からの推移

毎年消化するだけで大変なアニメの本数に追われていた時、ふと原作アニメ、オリジナルアニメって現在どの程度の比率で推移しているのかが気になったわけです。もちろん原作アニメの中でもいくつかに分類することができるだろうと思いました。

以前にはこういう記事を書いたのですが、この時は各年のアニメの本数をただ並べただけでカテゴライズや世代ごとの傾向をそこまで考えていなかったなと思ったので、腰を据えて改めて調べようと思ったわけです。

 

そんなわけで、昨年(2016年)のアニメおよび一昔前のアニメを含めて、統計をとってみようというのが今回の趣旨です。

 

 

今回の集計のルール

今回は以下のルールのもと、各年のアニメを分類分けしていきます。

・情報ソースはWikipediaの各年に放送されたアニメの一覧を参照とする

 ※海外放送アニメなどは除く

・各年に放送が”開始された”アニメをピックアップする

・原作あり、なし(オリジナルのもの)に分ける

・原作ありは以下の通りカテゴリ分けする

 細かな分類ルールはあるがここでは割愛する(基本的に雑誌ごと)

 ラノベについては分け方が悩ましいので一括りにする

・キャラクターもの、絵本、玩具などはその他にまとめる

  • ラノベ
  • マンガ(少年誌)
  • マンガ(少女誌)
  • マンガ(青年誌)
  • マンガ(4コマ枠)
  • ウェブコミック
  • ゲーム(全年齢)
  • ゲーム(アダルト)
  • その他

 

原作アニメとオリジナルアニメの比率

2016年放送アニメの場合

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2016年放送アニメの結果はこちら。オリジナルが35%と思っている以上に多いなぁという印象を受けましたが、地方局アニメやNHKなどのアニメを含めるため、あながち悪くないデータのように感じます。深夜アニメだけだと20%切りそうですね。(というかアニメの本数多すぎでしょ)

 

原作ありではコミックス原作が半分で、ゲームが約2割、その他と小説で残り3割といった感じです。深夜アニメばかり見ているとラノベや4コマ枠アニメが目立つようにみえますが、思っている以上にこれらのジャンルの比率は高くありません。

データに起こしてみるとわかるのですが、ラノベではなく児童文学や小説などを原作にしているアニメも一定数ありますね。後述するのですが、これは2016年の傾向ではなく毎年数本はこういう作品があるということを言いたいです。

 

2010年台の傾向

2010年から2016年までの比較です。

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年々、着実に増えているアニメの本数に反し、原作ありとオリジナルの比率には大きな変化は見られないようです。むしろ2015年、2016年はオリジナルアニメの比率が増加しているようです。後述するグラフを見るとわかりますが、2010年前後がオリジナルアニメの割合が一番少なかった頃なんですよね。

 

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2010年台の本数分布で注目したい点としては、ウェブコミック原作のアニメが台頭しているというところです。2015年以前はガンガンONLINE原作の作品のアニメ化がほとんどでしたが、2016年には『ReLIFE』や『おしえて!ギャル子ちゃん』などといったガンガンONLINE以外のウェブコミックが原作となった作品が目立ちます。今回はカウントしていないですが、Youtubeで放送された『月曜日のたわわ』もTwitterから派生したものですし、ウェブからアニメへの輸入も今後は多く見られそうです。

 

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原作ありの中からマンガのみを合算した場合、各年ともに約50%前後を推移しており、原作の中でのマンガのウェイトはそれなりに大きいと言えます。

 

また2016年を除き、ラノベの比率が15%以上とラノベ比率が高くなってきたのがこの時期です(後述しますが、10年前は10%に満たないレベル、20年前は年間1~2本)。ラノベがアニメ化される風潮というよりは、アニメ化されるようなラノベが量産されているような気がしています。*1

 

2000年代の傾向と現在との比較

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もう少しさかのぼりましょう。

2006年と言えば第一次アニメクライシスが起き、アニメ作品数が膨れ上がった時期でした。この時期のオリジナルの比率は34%と、2016年のときと大きく変わりません。アニメクライシスが起きた頃のことを考えると、原作のあるアニメが氾濫してアニメの本数が多くなったのかと推察したのですが、アニメ数の増加と原作/オリジナルの比率には相関関係はなさそうです。

 

この頃は2010年台とは違いウェブコミックが台頭する前であり、日常系アニメがぽつぽつ出だした頃のため、4コマ枠やウェブコミックはほぼ存在していませんでした。一方でアダルトゲームが原作のアニメの比率はこの頃が一番高かったことも注目すべき点です。確かにこの頃はテンプレラノベの代わりにアダルトゲーム原作のアニメが放送されたなぁという印象が強かったです。

 

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ということで、2000年から2016年のラノベ、アダルトゲームの比率を並べてみたのがこちら。棒グラフが本数、折れ線グラフが原作アニメ全体に対する各ジャンルの割合です。2000年までの表示とした理由は2つ、アダルトゲーム原作が1998年からであること、2000年以前にはラノベ原作のアニメがそこまで多くなかったためです。

 

2009年から2015年までがラノベ原作のアニメが15%を超えていること、2007年と2008年を境にラノベ原作の占める割合が増加し、2015年まで右肩上がりであることがわかります。2016年でラノベ原作の割合が減少しましたが、原作本数で見ると2010年の頃と大差なく、ある一定数のラノベは常にアニメ化されている風潮であることがわかります。2017年前半期のラノベ原作アニメの本数を考えると、当面は全体の1割程度をラノベ原作のアニメが占めそうです。

 

アダルトゲーム原作の地上波アニメの最古は1998年の放送の「Night Walker -真夜中の探偵-」でした。2000年代前半から中盤にかけて本数のピークを迎え、2010年台にはアダルトゲーム原作のアニメが減少していることから、個人的にはアダルトゲームのブームがアニメの本数に映っているように感じています。*2

 

1990年台の傾向と現在との比較

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さらにさかのぼります。27年分並べるとアニメの増減や割合が一目できていいですね。データを作る側としては狂気以外の何物でもありませんでしたが。

オリジナルアニメの比率が2000年台に比べて少し増え、1994年だけはオリジナルアニメが原作ありアニメの比率を超えています。とは言え、原作ありとオリジナルの比率が逆転したのが1994年だけで、90年台は原作ありアニメが6割程度で推移しており、極端にオリジナルアニメが多くないことがわかります。

 

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ラノベやアダルトゲーム、ウェブ文化が台頭する以前のため、原作ありのアニメではマンガが原作のものが多く目立ちます。こちらは1990年から2016年までのマンガ原作の比率の推移ですが、1990年頃は70~80%がマンガ原作だったものが、2010年台では50%程度まで減少していることがわかります。

時代が変わりさまざまな媒体からのアニメ化が増え、またメディアミックスも増えたことによる影響と言えます。先に述べたとおり、ラノベやアダルトゲーム原作、キャラクターものなどのアニメの増加によるものと言えます。

 

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とは言え、全年齢ゲームが原作となったアニメはそこまで多くなかったのが意外でした。 確かに一昔ってゲームが原作のアニメってほとんどなかったようなイメージでしたが。

 

まとめとして

一部抜粋した情報を掲載しているだけで他にも考察要素はいくらでもあるのですが、色々書きすぎると再現がない(ラノベ原作アニメの歴史だけで1つの記事が書けるくらいのため)ので、今回は大きくまとめた記事にとどめておこうかと思います。

データとしては各年のアニメの情報を各カテゴリにまとめているので、「こういう情報ってないのか」などあれば抽出は容易でしょう。必要な情報が思いついたらグラフでも追加しましょう。今回のまとめとしては大きく以下の2点ですね。

 

・オリジナルアニメの比率が過去に比べて少々少なくなっているようですが、各年全体の3割程度はオリジナルアニメが存在する

 ・1990年台に比べてマンガ原作の比率が低くなり、様々な分野のアニメが増えてきている。

 

それでは今回はこんなところで。

*1:「ラノベはアニメ化されて初めて完成される」というのをちらっと見たのですが、私は逆だと思っています。『たまごが先かにわとりが先か』みたいな感じでしょうか

*2:ニコニコ大百科のエロゲが原作のアニメ作品を見たら最古が1999年のTo Heartになっており、危うく騙されそうにげふんげふん